今回は「第1章:紙幣が紙くずになる日」の続きです。
第1章を読んでいない方には理解が難しいと思うので先に第1章をお読みください。
前章では紙幣が廃止されデジタル通貨へと切り替わるところまでお伝えしました。
今回は新しく登場する国際通貨について説明していきます。
どちらもデジタル通貨で紛らわしいのでここからはデジタル通貨をデジタル法定通貨と呼びますね。
デジタル法定通貨、国際通貨、ややこしいかもしれませんが頑張って整理してみてください。
第2章:国際通貨の登場
突然ですがあなたは法定通貨と仮想通貨の違いを答えられますか?
正解は国際標準として認められているかどうかです。
どちらもそれ自体には何の価値もありません。
ただの紙切れとデータです。
そして法定通貨もあと少しで紙切れからデータになることをお伝えしました。
つまり法定通貨であろうが仮想通貨であろうがどちらもただのデータになるわけです。
しかしこの2つには明確な違いがあります。
それが先ほど出てきた国際規格なんですね。
法定通貨はISO 4217という国際規格に準拠しています。
ISO 4217は、1978年に国際標準化機構(ISO)が発行した国際規格で、各種の通貨を表すコードについて規定している。一般に通貨コードと呼ばれる。
ISO 4217:Wikipedia
この国際規格に準拠することで各国の法定通貨は正式に通貨として認められているのです。
円は日本ならどこでも使えますよね。
ドルはアメリカならどこでも使えます。
それは国際規格に準拠しているからです。
しかし仮想通貨はあまり使うことができません。
それは国際規格に準拠していないからです。
一般的に仮想通貨は胡散臭いものとして扱われます。
おそらくあなたも仮想通貨は怪しいものという認識を持っているのではないでしょうか?
実際のところそれは正しいんですよ。
各団体が勝手に国際規格なしの通貨を発行している状態ですからね。
信用が足りないのでまだあまり使われていません。
国際規格(ISO)には、
- ISO 9001(品質マネジメント)
- ISO 14001(環境マネジメント)
- ISO 27001(情報セキュリティ)
このようにあらゆる分野のISOが存在します。
一般的に大企業はISOを取得していない企業とは取引をしません。
これは通貨と同じで国際規格なしだと信用が足りないからです。
ここで通貨の話に戻ります。
法定通貨はISO 4217に準拠していましたね。
でも仮想通貨は準拠していない。
ここに法定通貨と仮想通貨の境界線があります。
想像してみてください。
もし一部の仮想通貨がこの国際規格であるISOに準拠したらどうでしょうか?
それらの通貨は「仮想通貨」ではなく「国際通貨」になると思いませんか?
ついに一部の仮想通貨がISO 20022というISOに準拠します。
正確にはISO準拠ではないのですがイコールという認識で問題ありません。
一部の仮想通貨が国際通貨として認められるようになるということです。
ここからは少し難しいかもしれないので頑張ってついてきてください。
前章でお伝えしたデジタル法定通貨の話も繋がってきます。
ISO 20022というのは送金システムの国際規格を表します。
そしてこの規格は未来の送金システムです。
詳しく知りたい方は国内メガバンク3社の公式説明も読んでみてください。
外国送金のISO20022移行について(送金依頼方法の変更):三菱UFJ銀行
外国送金の国際フォーマット化(ISO20022準拠対応)について:三井住友銀行
外国送金におけるISO20022移行への対応について:みずほ銀行
現在の送金システムにはSWIFTが使われています。
ロシアへの経済制裁でSWIFT排除など報道されていましたよね。
そのSWIFTは2025年11月をもってISO 20022へ移行完了することが決定しています。
そしてデジタル法定通貨の整備も進行中です。
これは簡単に言うと送金システムが切り替わるということです。
高品質の決済データが現実のものになりつつあります。2023 年 3 月には、国境を越えた支払いと報告 (CBPR+) の ISO 20022 (MX) への移行が開始され、MT メッセージとの共存期間は 2025 年 11 月までとなります。
ISO 20022 adoption programme:SWIFT
この送金システムの切り替えに合わせて一部の仮想通貨が国際通貨へと切り替わっていきますよ。
国際通貨が誕生したらどのような影響があるのかも見ていきましょう。
まずこれらの仮想通貨は最大供給量が決まっています。
考え方はビットコインと同じですね。
ビットコインの価格が高い理由は最大供給量が決まっているからです。
デジタル法定通貨も同じなのでこの考え方を持ってください。
前章では通貨の切り替えについて一つだけ重要なことを書いていませんでした。
それは紙幣の廃止と共に管理通貨制度が終わるということです。
ここで金本位制と管理通貨制度にも軽く触れておきますね。
昔は金本位制で紙幣が金との交換券でした。
つまり紙幣は金の保有分しか発行できず供給量が決まっていたのです。
これに対し現在は管理通貨制度で紙幣の供給量が決まっていません。
政府がどれだけでも無限に紙幣を発行することができます。
しかしこのお金が無限に供給される仕組みがついに終わるんですね。
デジタル法定通貨になると金本位制に戻るのです。
もしくは金・資源本位制かもしれませんが本質は変わりません。
各国が保有する金や資源の量でデジタル通貨の最大供給量が決まります。
2022年は世界中の中央銀行による金の購入量が過去最高記録でした。
しかもこれまでの最高記録の2倍近く購入されています。
Central bank gold purchases set an all-time high: Why aren’t bullion prices rising?
金本位制に戻るのは間違いないと思いますよ。
このように未来のお金はデジタル法定通貨であろうと仮想通貨であろうと最大供給量が決まっているのです。
これが重要なポイントになります。
前章でお伝えしたように2024年を目安にデジタル通貨へと切り替えが進んでいくでしょう。
そして先ほど見たように2025年11月には送金システムの切り替えが完了しますね。
おそらくこのタイミングで一部の仮想通貨は「国際通貨」として正式に認められるようになります。
もし国際通貨が誕生したらどうなると思いますか?
デジタル法定通貨の最大供給量は多くありません。
そのため無限に発行できる紙幣と違って1枚1枚にそれなりの価値があります。
つまり国民はデジタル通貨をたくさん保有することができないのです。
そんな状態のなか突然「国際通貨」が誕生したらどうなると思いますか?
想像してみてください。
通貨の切り替え後は国民のほとんどがわずかなデジタル法定通貨しか持っていない状態です。
そこへ大量の国際通貨を持った一部の人間が現れるのですよ。
あらかじめ国際通貨を持っていなかった人々が相対的に貧しくなるのは言うまでもないでしょう。
国際通貨も供給量が決まっているのでその時になってから入手するのは困難です。
これが実質的な金融リセットと言ってもいいかもしれません。
簡単にステップをまとめます。
- 新円切り替えでわずかなデジタル法定通貨を所有させる
- 国際通貨を登場させる
たったこれだけで国民は価値のあるものを所有していない状態になるんですね。
今の金融システムはあと数年で終わる詐欺システムですよ。
たった数十年しか生きていない僕らが信じている幻想に過ぎません。
これまでは石油を購入するために米ドルが必要とされていました。
いわゆるペトロダラー体制です。
しかしこれからは石油の購入に米ドルが必要なくなります。
つまり現在の金融システムが崩壊するのは時間の問題ということです。
Saudi Arabia Reiterates Commitment To China, Regardless Of U.S. Concerns
そしてこの崩壊はデジタル法定通貨の切り替えに合わせられます。
人々は何の裏付けもない紙切れに価値があると思い込まされているだけなんですよ。
最後まで気づかなかった人はリーマンショックのようにすべてを失うでしょう。
歴史を見れば価値のあるものは常に変わり続けていますからね。
今回は紙幣からデジタル法定通貨、もっと言えば国際通貨になる仮想通貨への移動です。
どうでしょうか?
金融リセットの流れがなんとなく掴めてきたのではないでしょうか?
未来の金融システムを構築しているのは「一部の仮想通貨」です。
仮想通貨については次章で詳しく説明しますね。
ここまでの流れを簡単にまとめると、
- 各国現金から各国デジタル法定通貨へ(2024年〜2026年)
- デジタル法定通貨 + 国際通貨へ(2026年〜2030年)
- 国際通貨のみ(2030年〜)
こんな感じです。
タイムラインは多少前後するかもしれませんが大きな流れは変わらないと思います。
少なくとも2026年あたりまでは政府が公式発表しているので確定でしょうね。
3番目は可能性の一つとして書いておきました。
デジタル法定通貨のニュースは前章に貼り付けたのでそちらを参考にしてください。
各国政府はきちんと情報を出しているのです。
知らないのも勉強しないのも国民の自己責任とさせたいからでしょう。
残念ながらほとんどの国民はその日が来るまで気づきません。
人生ゲームを強制的にリセットされたくない方は気をつけてくださいね。
もし貧しくなりたくなければ本当に思考停止しない方がいいですよ。
以上、「第2章:国際通貨の登場」でした。
次章では国際通貨となる仮想通貨に触れていきます。
ぜひ続きもお読みください。
「第3章:生き残る仮想通貨」へと続きます。